不登校が問題になって久しい。近頃はその増加は頭打ちになったといわれるが、決して減少はしていない。私の関わっている相談室にも、常に新しくて古いこの相談の申し込みが絶えない。私がかつてやっていたスクールカウンセラー時代は、メインがこのことであった。「4月の入学式に出たのになぜ」と悩みの真っ只中の方々もかなりおられるだろうし、夏休みが終わる頃には、「登校渋り」の生徒がまた増えるだろう・・・と心配なさっている先生方も少なくないに相違ない。
私の関わっている相談室には、「私の子供時代にはこんなことはなかったのに・・・」「一体どうしたのでしょう?」「何が原因なのかわかりません。」と困惑しきった母親が、時には父親も来る。時には、ブスッとした(憮然とした?)様子で本人が現れる。
不思議なことには、いつの頃からか「登校刺激を与えてはならない」という教え(?)が広まっていて、「そっとしておかねばならない」と周囲は信じている。子供はその間、パソコンゲームや、深夜放送で時間をつぶすようになり、次第に外にも出なくなる。特に、昼間、校友に出会いそうな時間は絶対に外に行かない。理髪店に行くのも、ゲームソフトを買うのも夜に限るようになったり、親を召使いにする子もいる。親としては放っておく訳にはいかず、相談機関や医療関係などに相談に行くが、「ご本人を連れて来ないと・・・」を言われるだけ。全くどうしたらよいかわからない。
私の周囲では、これが『不登校生徒の定番コース』である。 |