篠笛を奏でる重要なポイントとなるのは、息づかいです。感情に乱れがあると息づかいも不安定になるので、篠笛は、感情がとても反映されやすい楽器といえますね。私は、篠笛の教室を開いているのですが、お弟子さんに悩みがあったりすると、その音色を聞いただけで、不安定な気持ちが手に取るようにわかってしまうんです。逆に、不安やコンプレックスを抱えて門をたたいてきたお弟子さんが、篠笛を吹き、音で自分を表現しているうちに、だんだんと自信を取りもどし、音にも厚みや透明感がでてくるということもあります。意識的に呼吸を整え、不安定な音をきれいな音色に変えることで、気持ちまで明るくなれるんですね。それに美しい音色は、自分ばかりか、それを聞いた周りの人たちまで楽しい気持ちにさせてくれるもの・・・。音には、そんな素敵なパワーが秘められています。 |