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 小松先生は、現在スポーツドクターとしてオリンピック選手たちの健康をサポートしています。そして先生がスポーツドクターという仕事に関心を持ったきっかけが、中高校生の部活動と水分補給、特に高校球児と熱中症の関係だったそう。この6月にも東京シティマラソンで、熱中症が原因で倒れるランナーが続出したことがマスコミで大きく取り上げらました。そこで、小松先生に、夏のスポーツと熱中症対策について教えていただきました。

 「夏によく発生する熱中症は、暑さと水分不足によって起こります。中でも最も恐ろしい熱射病は、体温調整がスムーズにできなくなり、体温が異常上昇することで発症し、時には死に至ることもあります。私たちが暑い時に汗をかくのは、その汗が蒸発することによって、体温を下げるため。ですから発汗作用は体温調節にとって、とても重要なメカニズム。そして汗をつくる水分は人の体に必要不可欠です」と説明する小松先生。

 そして熱中症予防のポイントは、「いつでも自分が飲みたいと思ったときに水を飲める状態にしておくこと。ウォーキングや外出時に、ペットボトルを持って行くことをおすすめします。集団でトレーニングする時も、給水時間と休憩時間をこまめにとり、全員が水分補給をしているかどうか、お互いにチェックして欲しいですね。そして周囲に気兼ねせず、自分が水を飲みたいと思ったら、遠慮なく飲むこと。必要な水分補給量はその人の体質やその日の体調で大きく異なります。また汗を大量にかく場合は、塩分も失われてしまうので、0.2%程度の食塩水などを補給するのもおすすめします。ただし、カロリー制限や塩分制限などをしている人、心臓疾患のある人などは、自分に合った水分補給の方法について、医師と相談してください」とアドバイスしてくださいました。

 熱中症の症状を大きく分けると4つに分類できるそうです。これからの季節、どこにでもその危険性が存在する熱中症は、ごく軽い初期症状から急速に重篤な状態になることもありますので、体調の異変を感じたら我慢せず、すぐに休息をとり、水分補給をして下さい。


汗とともに失われる血中の塩分濃度が低下して、筋肉のけいれんを引き起こす症状。足や腹筋など部分的なけいれんや腹痛に似た症状を起こすことがあります。

人の体は暑い時には皮膚の血管が拡張し、血流を促進させることによって、体温を下げようとします。しかしこれによって、急激に血圧が低下するので、めまいや失神などを引き起こす、これが熱失神です。

大量の汗をかいて、水分補給が間に合わないときに脱力感、頭痛、吐き気などを感じる症状のこと。顔色が真っ青になり、過呼吸や頻脈(脈拍が速くなること)、多量の発汗などのショック症状が現れます。

高温の中で、体温調節中枢が機能不全になり、意識や臓器にまで障害を起こし、体温が40℃以上になって血液が凝固し、死亡する確率も高くなります。熱疲労で説明したショック症状のほかに、意識障害がみられ、非常に危険な症状です。


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