“自分の動物を世話してふれあうこと”には、子どもの心を成長させる要素がたくさんつまっています。そのためにも、家庭や学校で動物飼育をするのは、非常に大切なことだといえるでしょう。まず動物とふれあうことで、子どもは、自分が知らなかった人間以外の存在を認識し、同時に、観察眼、思考力、判断力などを養います。また毎日、学校の動物の健康を気遣いながら世話を続けることで、行動力、責任感、継続力、工夫・創造力、忍耐力、友達と協力する態度など、さまざまなことを学びます。そして、動物に対する愛着心がわき、大事な、自分より弱い存在を庇うことを覚えます。「世話は面倒だけど、ほっておいたら可哀想」という気持ちになります。長く愛して世話した動物に死なれたとき、悲しみや命を惜しむ気持ちが芽生えてくるものです。
一方、子どもに良い影響を与える動物飼育を行うためには、学校の先生や両親など、大人たちが動物を可愛がり、丁寧に扱うことが求められます。だから、動物を飼うときには、子どもが動物との正しい接し方を学べるような「愛情をかける飼育」を、まず大人が示すよう心がけてください。すべての子どもが動物と情のある関わりを持つ体験を得て、健全な心が育ち、いじめなどが少しでも減少できれば、うれしいことです。 |