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子どもの病気や母子、親子関係の問題など、子どもを取り巻くさまざまな問題について、小児科医として第一線で活躍する保科先生に伺いました。

撮影:井原淳一
オブジェ制作:豊田泰子
 「母親は子育てに専念するもの、すべきもの」という社会規範は、あたかも普遍的なものとして受け止められがちです。確かに昔から、母親が子育ての中心であったことは疑う余地もありませんが、戦後の高度成長期に、昔の家族制度の崩壊と核家族化が進む中で、周囲に援助者がいなくなり、母親が孤立して子育てに専念せざるを得なくなったことが、大きく影響していると考えられます。
 しかし一方で、いつの時代でも「母性」、つまり子どもに対する愛情は、変わることなく母になることで芽生えますし、仕事を持っている女性が「母性」がない、子どもへの愛情が薄いと考えることはあまりにも単純すぎます。
 お母さんが仕事を持っていても「母性」はちゃんとありますし、「三つ子の魂百まで」に代表されるような三歳児神話も、子どもの心の発達段階に存在します。
要するに子育てに重要なことは、お母さんと子どもが一緒にいる時間の長さではなく、短い時間でも楽しい時間になり、子どもの心に「やさしくて、愛情たっぷりのお母さん」が住み着いてさえいれば、何の問題もありません。
 例えば、せっかくのキャリアを捨てて子育てに専念しても、うるさいからといって、テレビやビデオを見せておいたり、仕事を犠牲にしたことを悔やんで、子どもに八つ当たりしたりしては意味がないどころか逆効果です。
 「母親が仕事を持っているから子どもに教えられなかった」というのではなく、子どもと一緒に過ごす時間を、貴重なものと考え、会話やスキンシップを通じて、子どもの心の発達を促していくことが大切です。


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